レアメタルの回収抽出
レアメタルの精錬を営んでおられるお客様より、レアメタルを含有した粉体があるが、低品位(低含有量)なため、このままではリサイクル精製コストが合わず、廃棄物になってしまうので、なんとか粉体からレアメタルを簡易に抽出できないかとの、ご相談を受けました。
まずは、粉体の発生状況についてヒアリングさせていただいた上、工業技術センターにて粉体の電子顕微鏡観察を行いました。大きな粒子に、小さな粒子が付着していることに着目し、発生状況の情報からも総合的に判断すると、大きな粒子と小さな粒子を分ければ、レアメタルの抽出が可能であると仮定いたしました。 実際、サイクロン分級を原理とする簡易的な試験装置で、試験したところ、小さな粒子側にレアメタルが濃縮されることが分かりました。そこで、弊社のエンジニアリングでは、ドラム缶1~2本程度を1日で処理できる粉体分級装置を開発いたしました。 条件によっては、95%以上の歩留まりでレアメタルを抽出できる、お客様からの厳しい要求をクリアした装置ができあがりました。これにより、低品位なスクラップからもレアメタルのリサイクルが可能となりましたので、直接のお客様は元より粉体の発生元であるメーカー様にも、再資源化率の向上といった貢献ができたものと自負いたしております。